うぱーブログ

読んで、どうぞ

ニュースを楽しむ〜米国選挙編〜

非常にありがたいことに、Twitterの方でブログの記事についてリクエストをいただきました!(感謝カンゲキ雨嵐)

というわけで、およそ10ヶ月ぶりにこのシリーズの復活です。『ニュースを楽しむ』

その概要については、こちら↓

政治はよく分からない。ニュース見ろと言われても、知らないお爺さん達が頑張ってるなぁとしか思えない。
そういう人も多いんじゃないかと思います。
ですが、ニュースを見ておくと何かと役に立つかもしれませんし、選挙の投票などの参考にもなるでしょう。人前で恥をかくことも減るでしょうし。
ということで今回は政治の勉強がしたいけれど、という人を対象にした企画を考えてみました。名付けて「ニュースを楽しむ」です。
専門家でもなんでもない素人の僕が、ウィキペディアを読めばすぐに分かる程度のことをペラペラと偉そうに語る記事です。そういうのが不愉快な人は、ごめんなさい。

ニュースを楽しむ〜中国編①〜

今回はリクエストにお応えして『米国選挙編』としました。

アメリカの大統領選挙、近いですからね。コロナのせいでイマイチ影が薄いですが、4年に一度の世界に関わるビッグイベントですよ。5年に1度ある中国の党大会(次は2022年)と4年に一度ある米国大統領選挙(今年の2020年)は、世界情勢を見る上で絶対に外せません。

中国についてはまた別に記事で書く予定なので、今回は米国大統領選挙について書きます。いつものように長くなるかもしれませんが、お付き合いください。

(追記)

そういえば私はブログで「米国」「英国」などと有名な国のことは漢字で表記することが多いのですが、これはどうしても本文に用語としてカタカナが多くでてくることから、読みやすさを考慮しているだけです。深い意味はありませんし、カタカナが嫌いなわけでもないです。

雑に使い分けているので、アメリカと表記したり米国と表記したりしていると思います。逆に読みにくいという方には申し訳ないです。意味は同じです。

(追記2)

知らない人に分かりやすく書くため、アメリカの地域の呼び方で中西部などは使わず、地図で見ての東西南北8方位を使って表現します。

 

目次

  1. 時期
  2. アメリカと日本の違い
  3. 民主党共和党
  4. 選挙人とは
  5. 過去の選挙結果からの分析
  6. 注目の州
  7. トランプ政権の実績と評価
  8. バイデン氏について
  9. 選挙での争点
  10. まとめ

 

1. 時期

2020年アメリカ大統領選挙の本選は、2020年11月3日(私の22歳の誕生日)です。

米国の大統領選挙は道のりが長く、候補者選びに1年かけます。今回は現職のトランプ氏が共和党なので、対抗馬の民主党の候補者選びが進んできました。

民主党の候補者が正式に決まるのは7月なので5月現在では一応未定なんですが、ほぼ確定しています。ジョー・バイデン氏です。

 

2 . アメリカと日本の違い

アメリカと日本とでは、国の制度がそもそも違います。だから日本国民にはちょっと分かりづらいんですよね。逆にアメリカ人も日本の仕組みはよく分かってないと思います。

都道府県と州

そもそも米国は連邦国家なので、各州の持つ力が日本の地方自治体とは比べ物になりません。チェーン店とフランチャイズ店より違います。もちろん米国の州の方が力が強いです。

○選挙権

日本では定められた年齢になると自動で選挙権を付与されて投票に行けるわけですが、米国の場合は前もって申請をしておかなければなりません。したがって投票権保持者となる人は政治に関心のある人が多く、逆に言えば政治に関心の薄い人は慌てて投票に行くなんてことはありません。

○上院と下院

日本は衆議院参議院ですが、米国は上院と下院です。上院の方は100人ほどで上流階級向き。下院の方は400人を超えており、こちらが一般層の意見を汲み上げる係と言えます。

○首相と大統領

日本も米国も三権分立(行政・司法・立法)を軸としており、それぞれ内閣、裁判所、議会が置かれています。ただ日本より米国の方が国のトップに与えられた権力が大きいです。

例えば「大統領令」というものがあって、これは議会の承認を介さずに大統領の一存で行政の指令を下せるというものです。これに対して議会の制定する法律や連邦裁判所(最高裁)の違憲判断が対抗することができます。最近はトランプ氏が乱発することで有名ですね。

 

3 . 民主党共和党

アメリカの政党は基本的に二つです。民主党共和党。政党としてはこの二党を覚えておけばOK。その大まかな特徴について書きます。

民主党

基本的にリベラル(自由主義)です。

思想について語り始めると最早講義になってしまうので省きます。なんとなく掴めたら十分です。論文書くわけじゃないんでね。私も厳密には知らない(勉強したことがない)。

民主党が強いのは都市部。地域で言うと東西の端の方です。臨海部と言うべきですかね。詳しくは後で述べます。

有名な大統領としては、ルーズベルトトルーマンといった先の大戦時の2人や、初の黒人大統領となったオバマ氏、ケネディもそうです。

弱者の味方。自由と権利を守る。地球を守る。平和を愛する。そんな感じの政党です。

その性質から言ってアメリカの美しいとされる部分はだいたい民主党系ですね。芸能人やアスリートや米国メディアも多くが民主党の味方です。だからトランプ氏とよく喧嘩してるんですよ。

共和党

基本的に保守主義です。

共和党が強いのは主に都市郊外。農村もそうですね。地域としては中部や南東部です。

有名な大統領には、2020年現職のトランプ氏、南北戦争リンカーンニクソンレーガンや親子ブッシュも名前は聞いたことあると思います。

キリスト教福音派やライフル団体が味方についていて、主に白人に人気があります。工場だとか農業だとか資源系だとかの従事者にも、共和党支持者が多いですね。

アメリカの美しいイメージからは少し外れるかなと思いますが、決して悪者というわけではないです。まぁそんなこと私が言うまでもないでしょうが(笑)。

メディアやエンタメに敵が多く、主要メディアで共和党支持はFOXくらいです。極端な共和党支持者はFOXのニュースしか見ないとも言われます。どれだけ叩かれててもトランプ大絶賛ですからね。なんとなく、トランプ政権下ではテレ東的な扱いになりつつあるような……w

 

4 . 選挙人とは

選挙のシステムについて説明します。

米国民は選挙にあたって民主党共和党の大統領候補(と副大統領候補)に投票するのですが、日本の「小選挙区制」とは違って、一応は間接選挙制です。

選挙人と呼ばれる人達がいて、この人数は各州によって違うのですが、この人達が形式上は大統領を決める投票をします。ただこの選挙人は前もって共和党に入れますとか民主党に入れますとか宣言する必要があって、米国民の投票により各州で上回った大統領候補に、そこに投じることを宣言していた選挙人が投票するという形です。

まぁ簡単に言えば米国民が直接投票しているんですが、重要なのは米国民の投票数が多ければ必ず選挙に勝てるわけではないということ。実際に2016年のトランプ氏vsヒラリー氏の選挙では、投票数はヒラリー氏の方が勝っていたんです。ただ選挙人の数はトランプ氏の方が上回っていたので、トランプ氏が勝利しました。こういう事例が何度かあります。

この選挙人というのはウィナーテイクスオール(勝者総取り)で、つまりその州において一票でも勝っていれば、その州の選挙人は全てゲットできる。裏を返すと、たとえ一票差で負けたとしても、その州での自分への投票は全て死に票です。選挙の勝敗に全く関与しないものになります。

したがって、どの州で勝つか、どの州は捨てるか、そういう風に戦略を立てていく必要があるんです。選挙人の人数は州ごとに違うと上にも書きましたが、これによって候補者の戦略というのは見ていて興味深いものとなります。

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↑ちなみにこれが2016年の大統領選挙における選挙結果。数字が選挙人の人数を示していて、赤色は共和党(トランプ氏)が勝利した州、青色は民主党(ヒラリー氏)が勝利した州です。[N○Kの無断転載]

選挙人の人数にかなりの差があるのが分かると思います。最大のカリフォルニア州は55人で、北西部の合計を上回りますから。詳しくは次の項で書きます。

 

5 . 過去の選挙結果からの分析

傾向と対策というものを考えるのは、あらゆるものにおいて重要です。したがって候補者の戦略や選挙結果を考えるには、まず過去の傾向を見るべきでしょう。今回は直近である2016年の大統領選挙を中心に書いていきます。

こちらの画像(2016年大統領選挙での各州における各候補の獲得選挙人数)を見ながら読み進めてください(ウィキペディアより無断転載)。

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青い州赤い州

ブルーステイト(blue state)、レッドステイト(red state)という言葉があります。日本語訳すると青い州赤い州青い州とは民主党が強い州で、赤い州とは共和党が強い州のこと。

民主党は東西両端や都市部に強いと上に書きました。上の画像を見れば実際にそうであることがわかると思います。特にカリフォルニア州民主党の牙城とも言われていて、ハリウッド俳優などの多くが民主党支持者でありアジア系移民なども多いことから民主党が圧倒しています。事実、共和党一色だった冷戦期が過ぎた90年代からはずっと民主党が勝利してきました。今回もまず勝利すると見ていいでしょう。

逆に赤色の共和党はどうか。内陸部と南東部はほとんど赤色ですね。

ちなみに下が2012年、現職の民主党オバマ氏に共和党ロムニー氏が挑んだ選挙の結果です。(ウィキペディアより無断転載)

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やはり内陸部と南東部は共和党が強いですね。

2012年と2016年の違いを見れば、トランプ氏がどういう戦略を立てて2016年に選挙で勝利したのかが分かります。今回の米国選挙でも重要な3つの「ベルト(地帯)」で見ていきましょう。

○3つのベルト

・一つ目はラストベルト。ラストは鯖という意味。北部〜北東部、五大湖からアパラチア山脈にかけての地帯を指します。

アメリカは自動車の国として有名で、またそれを支える石炭などの工業も盛んだったわけですが、近年は環境問題や人件費の観点から下火になっています。これによる失業者の数なども問題となっていて、顕著なのがラストベルト。

基本的に民主党が弱者の味方で共和党が上流階級の味方だと書きましたが、経済に関しては逆転しつつあります。環境を重要視する民主党により米国の石炭などの重工業は停滞しましたが、共和党(トランプ氏)は環境よりも自国産業を優先したからです。いわゆる「アメリカファースト」ですね。

2012年ではウィスコンシン州ミシガン州ペンシルベニア州はいずれも青色ですが、2016年では三州ともに赤色。共和党がというよりトランプ氏が新たに獲得した支持です。トランプ氏は、このラストベルトで「俺は石炭燃やすぞ」「環境守って自分が貧乏になるのはおかしい」と熱心に演説しました。ヒラリー氏は代々民主党が勝っていたこの地域を、勝てると思って軽視していたため取れなかったです。大統領となってから公約通り石炭を燃やし産業を再生させたため、今ではすっかりトランプ派の地帯となっています。ミシガン州には数十年ぶりに新たな組み立て工場ができたなんて話もあるくらいなので、今回の選挙も共和党が有利でしょう。

・二つ目はバイブルベルト。バイブルとは聖書のこと。フロリダ州を除く南東部を指します。

米国は自由の国ですが、基本的にキリスト教徒が最も多いです。米国民全体の7割以上がキリスト教徒で、そのうち5割はプロテスタントと呼ばれる存在。このプロテスタントなど福音派と呼ばれる人々が多く集まっているのがバイブルベルトです。福音派というのはキリスト教徒の中でも保守派とされています。

キリスト教福音派というのは、基本的に共和党の支持者です。以前「https://precureninaritai.hatenablog.com/entry/2019/07/31/010932」という記事でも書いたことですが、イスラエルについてのトランプ氏の行動はキリスト教福音派を意識したものです。

上の画像を見れば、2012年も2016年も南東部のジョージア州ミシシッピ州ノースカロライナ州サウスカロライナ州アラバマ州などといった地域では共和党が勝利しているのが分かると思います。トランプ氏は今まで福音派を敵に回すような発言はしていないので、今回も共和党優勢だと言えると思います。

・三つ目はサンベルト。サン(sun)は太陽の意味。たぶん地理だとか現代社会の授業でも聞いたことある単語だと思います。「アメリカにおける北緯37度以南の地域を指す」みたいな感じで。簡単に言えば、南部、メキシコと接する地域を指します。(したがってバイブルベルトとも被ります)

温暖な気候で中米にも近いため、移民が多いことで知られます。かつては農場などがメインでしたが、今はハイテク産業なども基本的に南部。人口も年々増えているので、勢いもあります。これらのことから政治的な存在感も当然強くなってきています。

特に顕著なのが、テキサス州フロリダ州。これらの州はこの後に述べるパープルステイトの一つであり、人口の多さ故に選挙人の人数も多いため、勝敗を左右する激戦区と言えます。

パープルステイト(purple state)

直訳すると紫色の州。赤と青を混ぜると紫になることから、民主党共和党が競っている州のことを指します。スイングステイト(揺れ動く州)とも言います。

代表的な州は、オハイオ州フロリダ州。私個人の考えですが(複数の専門家やメディアもそう書いている)、テキサス州もここに含まれつつあります。この三州については、次の項で書いていきます。

 

6 . 注目の州

2020年の大統領選挙において、私が特に注目すべきと思う州を3つ紹介します。先に挙げたオハイオ、フロリダ、テキサスの三州です。

オハイオ州

あまり馴染みのない名前かもしれません。スポーツが好きな人なら、コロンバスとかシンシナティとかクリーブランドとか聞いたことあるかな。でもまぁ他に比べたら有名ではないですね。ただ経済や政治では非常に重要な州なんですよ。日本で言うと、静岡県みたいな感じ。

オハイオ州は人種構成や年齢層、産業分布だとかが全米平均に近いので、「アメリカの縮図」と言われます。そしてこのオハイオ州での勝者が大統領に就任するというジンクスが50年以上続いており、オハイオを制する者はアメリカを制するとも言われる大統領選の天王山です。このジンクスがいつまで続くのかというのも、大統領選の楽しみ方の1つかもしれません。

フロリダ州

夢の国だとか、NASAだとか、日本人にも馴染みの深い州ですね。米国有数の観光地です。あのマイアミもフロリダ州。南東の端っこにあるアメリカの南国で、この前はスーパーボウルの開催地ともなりました。是非とも女の子と一緒に旅行したい……。まぁそんなのは夢のまた夢なんですが。

余談はさておき、フロリダ州は激戦州として有名な地域です。選挙人も多く(29人)、フロリダ州での勝者もここ50年で1度を除いて大統領選の勝者となっています。20票以上が動くわけですからね。したがってフロリダ州は大統領候補の演説も盛んです。

テキサス州

人口面積共に全米第2位の巨大な州。カウボーイのイメージが強いかと思いますが、今はハイテク産業が盛んです。大都市も沢山で、ヒューストン、サンアントニオ、ダラス、オースティン……どれも有名ですね。

東部がバイブルベルトに属してることもあって共和党が強いのですが、ハイテク産業や税金の安さを求めて他の州の大都市圏などから多くの人が流れてきており、民主党の勢いが増しているという声もあります。

また近年の銃乱射事件の多さもポイントの1つです。テキサス州では銃が簡単に買えますし、許可を得れば携帯も可能です。米国有数の銃社会でもあるのです。

テキサス州の選挙人は38人。仮に前回の選挙でヒラリー氏がテキサス州で勝利していれば、トランプ氏の勝利はありませんでした。このテキサス州において民主党が強くなってきているなかで、果たして今回はどうなるのか。結果だけでなく内容にも注目してみてください。

 

7 . トランプ政権の実績と評価

基本的に二択である米国大統領選において、主な判断基準は「現職に対するイエスorノー」です。なのでトランプ政権のこれまでについて、米国民はどう思っているのか。そこを見ていきましょう。(私がではなく、米国民がどう見ているかです)

○経済

以前ブログにも書いたように、トランプ氏が得意とするのは経済と外交です。そしてトランプ氏に投票する人の多くは彼の経済政策に注目しています。

・大規模な減税と失業率の低下

トランプ氏が法人税を大幅に下げたことは、ベーシックインカムについての記事で書きました。また彼の低所得者層への救済措置により、失業率は下がりました。このハッキリとした数字は彼の実績として嘘偽りのないものであり、ホームレスが50万人を超える米国内で重要な実績です。明日の生活を心配する低所得者層は、自分達の生活を守るために率先して選挙に向かうことでしょう。

・貿易の大幅な見直し

米国は長年大幅な赤字に泣いてきていたので、NAFTA見直しやTPP脱退と既存の多国間貿易にノーを叩きつけたトランプ氏は、低所得者層には高く評価されています。石炭についても然りです。民主党支持者には、生活のために投票しない(共和党に投票するのは嫌だが民主党には勝って欲しくない)という声もあるのだとか。ただ高所得者層には返って逆効果なのではないか、という見方もされているようです。

・中国との貿易戦争

あのZTE(中国の大企業)を一時は破産寸前にまで追い込んだのは、トランプ氏と米国の強さを世界に見せつけました。ただ米国側にも損害は少なくない上に、中国側の米国に対する部品の依存度などが年々下がってきているため、いつまで優勢かは分かりません。

しかし中国を脅威とする人は全米で7割を超えていますので、対中強硬姿勢は一定の評価を受けています。バイデン氏はかつてオバマ政権の一員であったため、彼の対中姿勢がどうなるかは民主党支持者にも不安視されています。

○軍事・外交

中国への露骨な敵視は、第二次冷戦を思わせる展開となっています。冷戦期には危機感ゆえに共和党が強かったので(共和党は退役軍人も支持層としている)、そういった点で共和党が支持される可能性があるでしょう。

またイスラエルの扱いや対イラン、対イスラム国(IS)、対タリバン、対北朝鮮など、型破りな外交政策は良くも悪くも強烈なインパクトを与えます。それが「強いアメリカ」を想起させ、彼個人のカリスマ性にも繋がっていることは間違いありません。

アメリカと陸続きの国は同盟国のカナダと途上国のメキシコだけであり、過去に本土が戦地となったのは独立戦争南北戦争くらいです。そのため米国民は戦争にも(開戦前は)イケイケで、武力衝突やトマホーク発射にも肯定的な評価がなされています。オバマ政権(民主党)との違いが強調されている部分です。

また米国民は基本的に外交に興味がないので、戦地からの米軍撤退や在韓在日米軍における費用負担の見直しなども、それなりの評価を受けているようです。

社会福祉

米国では長年、社会福祉についての議論が盛んに行われてきました。前職のオバマ氏の大きな実績である「オバマケア」(医療保険制度の改革)についても未だに賛否が分かれています。また米国民の1割以上、数にして4000万人以上が貧困状態とも言われており、そうした格差も議論を呼んでいます。

○その他

全米ライフル協会(NRA)や、移民問題など、詳しく見ればトランプ氏についての評価は様々です。この辺りは現地でも真っ二つのようなので、バイデン氏の発言次第となっています。トランプ氏は銃規制に(本音では)反対、移民にも反対の姿勢です。

 

8 . バイデン氏について

トランプ氏のこれまでに対する評価を書いてきましたが、対するバイデン氏とはどのような人物なのか。ここでは彼の簡単な経歴と過去の言動を見ていきましょう。

中産階級カトリックの家庭に生まれ、学力は凡であったそうですが、弁護士に。その後すぐ政治家になり、再選を続けて民主党の上院における大物となっていきます。

彼は外交が得意らしく、対イランなどで活躍しています。オバマ政権時には副大統領を務めていますが、こちらではオバマ氏の意見に概ね従う姿勢だったそうです。

あとバイデン氏について調べると必ず出てくるのが、セクハラや不適切発言などの不祥事です。最近はウクライナ問題が米国内では大ニュースとなりましたし、現在進行形でセクハラ問題が話題になっています。トランプ氏もその手の報道には事欠かない人物なのでトントンと言えますが、少なくともクリーンな政治家というイメージは持たれていないと思います。

またバイデン氏の親族が江沢民の親族と共にビジネスをしていることなどもあり、対中姿勢については懸念事項となっているようですね。それに関してバイデン氏はやや言葉を濁しており、トランプ氏ほどの強硬な言動は取らないと想像されます。近年はカリフォルニア州などでユダヤ系と並んで中国資本が台頭してきているので、政党としても強くは出にくいのかもしれません。

 

9 . 選挙での争点

争点はいくつもありますが、特に注目すべきものとして、私が挙げるのは4点。「不祥事」「中国」「コロナ」「進歩派」です。中国と不祥事についてはもう書いたので、この項では後ろ二つについて書きます。

○コロナ

まさか私が生きている間に、このような感染症による世界的大流行が起こるとは思いませんでした。後日改めて記事にしますが、私も完全にコロナについて見誤っていたので、深く反省したいと思います。

さてこの世界を騒がせているコロナは、米国の大統領選挙にも深く影響しています。

・経済面

トランプ氏の強みは経済政策であり、失業率は低下したと書きました。米国の株価は上昇し、好景気を生み出していたのは事実です。しかしながらコロナの大流行によって全て流されました。2020年5月上旬の時点で失業率は15%近くと発表され、彼の支持者層である低所得者達は路頭に迷っています。ワクチン開発には2年かかると言われているので、夏の間はマシになるとしても、冬が来るとまた流行するでしょう。ただしこれ以上の経済活動の停止は、ただでさえ社会福祉に難のある米国は、もはや耐えきれないのが現実です(米国だけではない)。

・対コロナ政策

トランプ大統領は当選前から暴れ狂う猛獣や災害のように報道されてきましたが、今回のコロナにおいてもその本領を発揮しました(褒めてはいない)。彼は経済失速を警戒して経済活動の停止に難色を示し続け、自粛解除を求めるデモを扇動したりもしています。

米国内では現在リバタリアンなどと呼ばれる過激な自由主義者が増加しており、実は彼らの政党は共和党民主党に次ぐ第三党でもあるのですが、彼らや低所得者層が自粛解除を求めて州政府に抗議しています。トランプ氏はかねてより自分に従わない州知事とバトルを繰り広げてきましたが、それがより一層激化しているのです。

初めトランプ政権はコロナ恐るるに足らずとしていたこと、にもかかわらず今は中国への非難を繰り返して責任を転嫁しようとしていること、この辺りについて米国内でも反感は買っているようですね。コロナ対策で名を挙げた州知事も多くおり、彼ら(彼女ら)が民主党の副大統領候補ともなれば、バイデン氏に票が傾く可能性もあるでしょう。例えばニューヨーク州のクオモ氏や、ミシガン州のウィトマー氏です。ウィトマー氏は女性である点やラストベルトの知事である点も強調しておきます。

・投票

コロナによって、郵送での投票を望む声が高まっています。本選は11月ですから、おそらく再び流行している時期だとも思われますし。ただトランプ氏は直接足を運んでの投票を強く求めています。建前上は「郵送だと不正が起こる」とのことですが、本音はどうなのでしょうか。

大きく二つあって、郵送投票には予算が必要であることと、都市部の国民による投票が増えることです。実業家らしく「無駄を失くす」を公言してきたトランプ氏にとって追加予算は好ましくないですし、都市部からの投票が増えれば民主党に有利ですしね。(都市部からの投票が郵送だと増えるのは、人口密度が高い方がコロナ感染のリスクが高まるからです)

○進歩派

進歩派(プログレッシブ)と呼ばれる人達が、今の米国内では急増しています。改革を望む急進左派です。主にサンダース氏の支持者層でした。

彼らの勢いが増した要因は大きく二つあって、一つは世代、一つは格差。

①ミレニアル世代

日本において団塊世代だとかゆとり世代といった言葉があるように、米国にも「ベビーブーマー世代」や「ミレニアル世代」といった言葉があります。このミレニアル世代というのは21世紀になって成人した人達のことを指します。

ミレニアル世代の特徴として、ネットに強い、不正や不祥事に敏感、改革志向といったものが挙げられます。この改革志向である部分が進歩派に繋がるわけです。

②格差

米国は世界1位の経済大国ですが、経済格差が大きいことでも有名です。貧困層が1割を超えること、学生ローンの問題、医療費が高いなど社会保障に難がある、こういった点は若者に強く改善を求められています。日本も同じですが、日本と違って米国では少子高齢化がまだ進んでいないので、この声が大きいんですね。こうした要望を請け負うのが進歩派です。

・DSAの影響

民主社会主義と呼ばれる思想の人々が米国内で年々注目されています。民主党の予備選においてバイデン氏と競ったサンダース氏も、この民主社会主義派でありプログレッシブであったのですが、彼によってDSA(democratic socialists of America)(アメリカ民主社会主義者)は大きく躍進しました。

彼らが目指すのは、高等教育の無償化、国民皆保険、育児休暇の取得など、概ね日本や北欧の仕組みに近いものです。

ミレニアル世代に強く後押しされる、米国内での社会主義を求める声。その大きさを示す例として、2018年の米国中間選挙でのある女性を紹介しましょう。

中間選挙で1番のサプライズ

4年に一度行われる大統領選挙は11月頭の火曜に行われるわけですが、それと2年ズラして上院と下院の議員を選出する選挙が同じ11月頭の火曜に行われます。大統領選挙と大統領選挙の間に入ることから、中間選挙と呼ばれます。(厳密には選挙の日は11月第1月曜日の翌日)

この中間選挙において驚かれたのが、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスという女性が下院議員の予備選挙で勝利したことです。

彼女が打ち破ったのは、民主党ナンバー3と目されるほどの大物。それに対して彼女はわずか29歳という史上最年少で勝利しました。選挙資金の差は10倍をはるかに上回っていたと言います。

なぜ彼女が勝利できたのか、それはネットに強いミレニアル世代による、熱心な草の根運動でした。TwitterInstagramFacebookyoutubeなど、今や政治においてもネットの影響力は大きなものとなっています。日本でも某放送協会から国民を守るなどといった政党が当選者を出したことで話題になりました。彼女はミレニアル世代のそうした強さによって、選挙資金の壁や性別の壁や年齢の壁を打ち破り、勝利したのです。

有名な言葉として「政治において重要なものは二つある。一つは金で、もう一つは何か忘れた」というものがあります。それほど資金というものは政治に欠かせないのですが、もう一つはやはり国民の声だったのでしょう。それを証明したのがオカシオ=コルテス氏でした。

・サンダース氏の票はどこへ

前述したオカシオ=コルテス氏もDSAの一員であり、進歩派です。したがってサンダース氏を支持していたのですが、サンダース氏はバイデン氏に勝てないとみて選挙から撤退してしまいました。そして彼はバイデン氏を支持すると発言したのですが、果たして彼の支持者の票はバイデン氏にそのまま移ってくれるのでしょうか。

極左と極右は繋がっているという言葉があります。それを示すように、サンダース氏を支持していたDSAの構成員の一部では「バイデンよりはトランプだ」という意見もあるとのことです。左派のサンダース氏が負けてしまった以上、中道派のバイデン氏か右派のトランプ氏ということになるのですが、中道よりは右ということなのでしょう。

このDSAをはじめとした米国内の民主社会主義者および進歩派が、どこまでバイデン氏を支持するのか。それは今回の選挙だけでなく、その先の政策や次の選挙にも影響してくると思います。

 

10 . まとめ

今回の選挙についてザックリまとめます。

・大統領を決める一般投票は11月3日

共和党のトランプ氏vs民主党のバイデン氏

共和党保守主義民主党自由主義

・農村は共和党が有利、都市は民主党が有利

・総投票数がそのまま勝敗じゃない

・3つのベルトで家族にドヤ顔しよう(大嘘)

・勝敗を分けるのはパープルステイト

・テキサス、オハイオ、フロリダに注目

・トランプ氏は概ね高評価(支持率44%)

・バイデン氏は大物だが不安要素も多い

・コロナで大きく変わる可能性がある

・世代交代(ミレニアル世代)の影響に注目

・進歩派や民主社会主義者の動きに注目

 

最後に私の2020年5月段階での予想を書いて終わりにします。

トランプ氏の再選確率は 75%

トランプ氏が勝ちます!

 

 

 

 

 

 

 

 

外れてたら謝罪の記事書きます。

1万2千字も読んでくださってありがとうございました。

今後もリクエストは受け付けております(応えられる範囲なら応えます)。政治だけじゃなく、歴史とかアニメとかスポーツとか。色々書いてみたいなと思ってます。フリーターなのに就活厳しいのでね。

コロナくん、そろそろ静かにしてね。